比較家族史学会秋季研究大会
【日 時】2015年11月14日(土)
【会 場】高野山大学校舎A棟2階 第三会議室
(和歌山県伊都郡高野町高野山385)
【参加費・申込み】無料・事前申込不要
【プログラム】
10:30~10:40会長挨拶 森 謙二(茨城キリスト教大学)
10:40~10:50高野山大学挨拶 藤田光寛(高野山大学学長)
10:50~11:30自由報告 司会:小池 誠(桃山学院大学)
胡 源源(神戸大学大学院)
「日本に結婚移住した外国人妻と母国のトランスナショナル
なつながり」
11:30~12:40 休憩
12:40~16:30ミニ・シンポジウム
「高野山における人口維持システム」
12:40~12:50
森本一彦(高野山大学)趣旨説明
12:50~13:20
山口文章(高野山真言宗山林部長・総長公室長)
「高野山の歴史」
13:20~13:50
芦田裕介(宮崎大学)
「高野山周辺の空き家からみる人口維持システムの変容」
13:50~14:20
島津良子(奈良女子大学)
「女人禁制の解除過程‐境内地から地域社会へ」
14:20~14:50
森本一彦(高野山大学)
「前近代における僧侶の移動―金剛峯寺析負輯を中心として」
14:50~15:00 休憩
15:00~16:30 討論
16:30~16:40 副会長挨拶
【ミニ・シンポジウム趣旨】
明治5年まで、高野山は女人禁制であり、出生率ゼロの社会であった。高野山で語られてきた石童丸物語は、父を探して高野山に登ってきた子に対して、出家した父であることを告げず、子弟関係を貫くという話である。これは高野山には親子関係が存在せず、子弟関係に一元化されていたことを示している。女性が居住しておらず、家族も存在しなかった高野山には、夫婦関係や親子関係が存在しなかったのである。ケアなど家族が担うと考えられてきたものは、すべて子弟関係によって行われたいと考えられる。このような特殊な状況にあった高野山がどのように維持されてきたのかを考えることを通して、我々が抱いてきた家族イメージを再構築できるのはないかと考える。
山口文章は、本テーマの前提である高野山の歴史について報告をしていただく。さらに、芦田裕介は、増加する空き家を通して、少子高齢化の影響を受けて、消滅自治体と呼ばれる高野山周辺の地域の現状を明らかにするとともに、戦後の人口動態と重ねることによって現在の問題を浮き彫りにしていただく。島津良子は、近代における女人禁制の解除過程について報告いただくことによって、僧侶の修行の場であった境内地が家族を形成する一般住民が住む地域社会へと変貌していく様相を明らかにする。森本一彦は、『金剛峯寺析負輯』を使用して、前近代における高野山の人口移動を通して、女人禁制下の維持システムの実態を報告する。
本シンポジウムでは、高野山の人口変動を現在から遡って検討することによって、単線的な歴史像にとらわれず、地域の人口減少についてさまざまな可能性を考えることを目的としている。
【会場アクセス】
http://www.koyasan-u.ac.jp/info/access/
南海高野線高野山駅より南海りんかんバスで千手院橋下車徒歩4分